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観光・産業振興のためのeスポーツの推進ー神奈川県小田原市の取組


はじめに


 eスポーツ(electric sports)は、世界的に注目を集めています。近年、日本国内でも流行の兆しが見えてきており、日本のコンテンツ市場においても今後の成長産業として考えられ、様々な周辺産業への経済効果が期待されています。成長分野であるeスポーツに、小田原市として年齢・性別・障がいの有無に関係なく多くの人が楽しめるeスポーツに着目し、eスポーツを観光コンテンツとして様々な事業に取り入れる動きを見せています。これまで神奈川県横須賀市東京都西東京市荒川区の取組みを取り上げてきましたが、今回は神奈川県小田原市が取り組む観光振興のために、eスポーツを活用している事例を取り上げたいと思います。



観光・産業振興のためのeスポーツの推進ー神奈川県小田原市の取組


 神奈川県小田原市は、戦国時代に後北条氏の城下町として発展し、江戸時代には東海道屈指の宿場町として栄えた地域です。明治期には政財界人や文化人に愛された、神奈川県地域の中心都市です。人口規模は約18万人程度となっています。

 

 小田原市ではのeスポーツをの活用方法として、イベントの開催、専門施設の運営、市内高校に向けたeスポーツ部創設支援、福祉等に活用しており、市内高校に向けたeスポーツ部の創設支援も実施しています。等の取組を行っています。イベントでは、「小田原eスポーツ企業対抗戦」等が行われ、産業・観光の振興の推進のため実施されています。この中でも、企業対抗戦の目的では、市内企業に対するeスポーツの理解促進及び魅力発信やビジネスに発展するアイデア創出、参加企業同士のビジネスマッチング等、eスポーツを契機として市内産業の活性化に寄与することを目指しています。参加企業には、企業対抗戦には、横浜銀行、ベルマーレ、小田原ガス、NTT東日本等の地元企業がチームを結成し参加しました。ました。

 

また、小田原市ではイベントだけでなく専門施設の運営も行っており、「eスポーツ無料練習・体験施設『e-zone」を設置しています。おだわらイノベーションラボという、公民連携・若者や女性活躍の拠点施設内に設置されました。ゲーミングPCやマウス等のeスポーツに必要な機材一式が揃い、eスポーツをすることができる環境が整っています。他には、市内高校向けに実施しているeスポーツの創部支援も行われています。では、ゲーミングPC等のハイスペックな機器を無償で貸し出しています。を行い若年世代に向けたeスポーツという新たな文化の定着と、それに伴う共生社会の実現を目的として普及が行われています目指しています。令和5年(2023年)11月20日から、県立西湘高等学校をモデル校として貸し出しが実施されています。

 

他に特徴的な取組としては、福祉分野におけるeスポーツの活用です。小田原市内の下府中地区社会福祉協議会が運営する「こんぱすたいむ」が協力して、ゲームタイトル「太鼓の達人」を活用して、太鼓と鉢の専用コントローラーを活用して、目と手を動かしながら体験できるイベントを開催しています。高齢者の交流や気晴らしに繋がる取組となっています。

 

小田原市議会令和5年6月定例会では守屋輝彦市長が「若年層の誘客のため、若者に人気があるeスポーツに着目し、シンボライズな大会の開催など、新たな小田原の観光コンテンツとして、令和4年度からeスポーツを活用した施策に取り組んできたところでございます。」と述べており、観光・産業振興のためにeスポーツに着目を令和4年(2022年)からしていたことが分かります。令和5年度予算では観光PR事業としてeスポーツコンテンツ運営委託料、eスポーツ機器購入費等、人流動向調査委託料、デジタル観光PR動画制作委託料として31,560千円が計上されています。


まとめ


  小田原市では、eスポーツを主に観光・産業振興のための活用が進んでいます。歴史・文化的な資源が多く、観光地として栄えてきた小田原市において、eスポーツというを活用した先進的な取組を行っていくことで、若年世代を含めた全世代に向けた観光PR施策を行われている注目すべき事例となっています。今後も、グローカル社では小田原市のeスポーツの取組を継続的にリサーチして取り上げていきたいと考えています。

このような自治体のトレンドを見逃さないよう、グローカル社では、自治体の情報を横断して一括検索できるツール「G-Finder」を活用した調査サービス「G-Finderレポート」を提供しています。自治体に関する調査や、自治体への提案・入札参加をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。



執筆者 平峯 佑志 Yushi Hiramine

スポーツ&ヘルスケア関連の事業会社を創業メンバーとして起業、新規事業立ち上げ/経営企画/WEBマーケティング/法人営業・自治体営業/知的財産管理等の業務に従事。スポーツ専門研究機関のシンクタンクでのPM業務を経てグローカルにジョイン。

グローカルに参画後は、健康管理システムのソリューション営業の型化/営業支援体制の構築支援、自治体向けの情報プラットフォームの営業支援/PM業務、公募調査ツール「G-Finder」の企画開発業務に従事




出典:

小田原市「小田原市eスポーツ」

小田原市「記者発表資料「福祉分野でeスポーツの活用!」」

小田原市「記者発表資料「eスポーツ部創部支援として市内高校へのゲーミングパソコンなどの貸出を開始」」

小田原市「小田原eスポーツ 企業対抗戦」

小田原市「令和5年度当初予算の概要」

小田原市「小田原市議会 令和5年6月定例会6月15日-03号」

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