「うちの製品やシステムを、自治体へ売りたいのだけど、なかなか・・・」と悩んでいる企業は多いのではないでしょうか。
“やみくもなターゲティング”や“物売り営業”では、受注につながらない。
“戦略的なターゲティング”や、今、それが欲しかったんだよと思われる“ニーズを先取りする営業”をするには、どうしたらよいのでしょうか。弊社のノウハウの一部を、まとめてみたいと思います。
1.戦略的なターゲティング いくつかの方法がありますが、この記事では「自治体の公文書のリサーチ」と「政策トレンドのリサーチ」にフォーカスします。 <自治体の公文書のリサーチ> 民間企業と異なり、自治体は課題やニーズ等が読み取れる公文書を公表しています。
アクション①:自治体の施策・計画のリサーチ
地方自治体が発表する公文書(例: 基本計画、都市計画、環境計画、防災計画など)をリサーチし、どのような施策が優先されているのかを理解します。これらの文書には、自治体の中期・長期の目標や現在の課題が詳細に記されています。 アクション②:予算書のリサーチ
どの分野に重点的に予算が割り当てられているかを予算書を用いて調査します。予算の配分は自治体の優先順位を反映しているため、重要なニーズを把握する手がかりになります。
<政策トレンドのリサーチ> アクション③:中央政府の方針のリサーチ
中央政府の施策や方針、助成金の動向をチェックし、それが地方自治体にどのような影響を与えるかを予測します。これにより、自治体がこれから直面するであろう新たなトレンド(波)・ニーズを予測できます。具体的には、貴社の製品やシステム等の商品を提案したい自治体の課が関係している省庁を定め、中長期的な政策や、年度予算、予算化前の検討内容(有識者委員会※などの議事録や討議資料)は常にウォッチしておきたいところです。
2.ニーズを先取りする営業 <自治体の公文書の“差分”リサーチ> アクション④:自治体の計画文書・予算書・議会や委員会の議事録リサーチ
「自治体の計画にあるけど、予算化されていない。ただ、議会や委員会では議論されている」 この場合、中長期的な政策方針がまとめられた計画が実行されていない可能性があり、予算化される前の議論がなされているため、ニーズを先取りすることが出来得ます。計画がある=ニーズがあるなか、貴社の商品の提案とセットで「予算をつくりにいきましょう」という提案をすることで、自治体に伴走しながら課題解決型営業ができるようになるはずです。
上記したことを実行すべき!と理解しつつも、全国の自治体に対してそれを行うことはなかなか困難であることが実態だと考えます。弊社では、全国1,788自治体(47都道府県庁+1741地方自治体)の公表された公文書を“一括横断で検索できる独自システム”や、そのシステムを用いた調査、調査に基づいたターゲティング戦略やアプローチ戦略の立案・実行など、ターゲティング~提案活動を伴走するサービスメニューを揃えています。
官民連携は、地方創生を実現するうえで必要不可欠な手段であります。それを貴社の新規事業を用いて実現する。
“自治体に営業する”という視座ではなく、“地域を支える自治体と連携する”視座で、経済的・社会的に地域を豊かにし、わくわくさせたい。
そのようにして、日本を、地域が地域を活性化する集合体であることを目指したいものです。
執筆者 神谷 純 Jun Kamiya
半導体電子部品の輸入商社兼ICメーカーにて、営業/マーケティング/新規事業立ち上げ/社内の営業変革PJTのPM業務等に従事。
2015年にグループ会社のプライマルへ参画し、大手通信事業者の営業部隊数千人が使用するSalesTechサービスの企画・立上げ、害ゼロを目指した鳥獣被害対策ソリューションの新サービス立上げ、産学連携事業の企画・アライアンス開拓等を推進。グローカルでは、営業(市場との対話)を起点とし、地方に根差す強い事業創出を目指して、CMOとして活動。
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