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「行かない市役所」化の推進!神奈川県相模原市のDXチャレンジ



はじめに

 近年、地方自治体は業務効率化や地域住民の利便性向上のために、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める動きが、日本全国の地方自治体に広がっています。DX化による社会生活の変革の波は広がりを見せ、地域の活性化に寄与しています。今回は、政令指定都市である神奈川県相模原市における、自治体のDX化について取り上げます。


相模原市の自治体DX化に向けた取り組み

 相模原市は、神奈川県内では横浜市、川崎市に次ぐ第3位の人口規模を有し、70万人を超えています。2010年4月から全国で19番目の政令指定都市に指定されています。市内には、多様な都市機能を持つ中心市街地と相模湖・津久井湖・宮ケ瀬湖などの水源を含む豊かな自然が広がっています。

 

相模原市では、人口減少社会がもたらす様々な課題の解決に向けて、ICTの活用を推進しています。令和2年(2020年)3月には「選ばれ、愛されるさがみはらをかなえるICT・データの戦略的活用」を基本理念とした「相模原市ICT総合戦略」が策定されました。3つの基本目標として、利用者中心の行政サービス改革、経営資源を最大限に活用した行政改革、将来にわたり発展し続けるまちづくりを掲げ、多様な施策や事業を展開しています。新たなデジタル技術を積極的に取り入れ、地域課題解決に向けて取り組んでいます。令和5年(2023年)の予算には、DX関連の予算として、市内企業のDX化やデジタル化の促進に向けた「DX促進支援事業(予算:8,240千円)」や、火災予防分野における電子申請等を促進するための「火災予防DX推進事業(予算:9,493千円)」などが計上されています。相模原市議会 令和5年(2023年)6月定例会05月29日-01号では、本村 賢太郎市長が「将来にわたり市民の皆様の利便性向上と行政事務の効率化を推進するために、行政窓口でのキャッシュレス支払いサービスの本格導入やSNSの利便性を最大限に生かした行政サービスの提供にチャレンジするほか、相模原の未来を展望したDXの推進に関する条例の制定に向けて取り組んでまいります。」と述べ、市民生活の利便性向上のために意欲的にDX化を推進していることが分かりました。

 令和5年(2023年)7月には、本村 賢太郎市長の新たな取り組みとして「もっとチャレンジ!さがみはら~DXチャレンジ~」という方針を打ち出しました。相模原市の人口は、2025年をピークに人口減少に転じ、50年度の2070年には、ピーク時の約4分の3まで減少するとされています。こうした少子高齢化社会や人口減少の課題解決をするため、DX化を進めていくと表明されました。「行かない市役所」など市民生活を豊かにすること、デジタル技術を生かし相模原市のファンを増やすこと、職員の働き方改革をすることを掲げています。相模原市議会令和5年(2023年)6月定例会議06月06日-02号では、本村賢太郎 市長は「DXの推進に関する条例の制定に向けた取組でございます。昨今の目まぐるしく発展するデジタル技術による施策がまずは想定されるというように考えております。いずれにいたしましても、市民の皆様がデジタル社会の恩恵をより早く享受できるような内容で条例を精査していきたいと思っております。なお、この条例に盛り込む内容については検討させていただきまして、できる限り早期の制定を目指してまいりたいと考えております。」と述べ、今後条例制定に向けた動きが行われていくことが予想されます。


 タイトルにもある「行かない市役所」は、市役所での手続きにデジタルを取り入れる施策となっています。相模原市議会令和5年(2023年)3月定例会議02月20日-02号では、本村 賢太郎市長が「国が進める自治体デジタル化支援の動向を注視しつつ、先進都市の事例を参考にしながら、本市の窓口の実情に応じた効果的な取組を検討してまいります。」と述べ、窓口業務のデジタル化についても積極的に導入を検討されてきた過程を伺い見ることができます。


まとめ

 神奈川県内では、相模原市の他にも政令指定都市の横浜市、川崎市でもDX化を目指した計画が推進されています。横浜市は「横浜DX戦略(令和4年(2022年)9月)」、川崎市は「川崎市デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進プラン及びプログラム(令和4年(2022年)3月)」を制定しており、神奈川県内ではDX化に向けた取り組みが拡大していることが分かりました。

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執筆者 平峯 佑志 Yushi Hiramine

スポーツ&ヘルスケア関連の事業会社を創業メンバーとして起業、新規事業立ち上げ/経営企画/WEBマーケティング/法人営業・自治体営業/知的財産管理等の業務に従事。スポーツ専門研究機関のシンクタンクでのPM業務を経てグローカルにジョイン。

グローカルに参画後は、健康管理システムのソリューション営業の型化/営業支援体制の構築支援、自治体向けの情報プラットフォームの営業支援/PM業務、公募調査ツール「G-Finder」の企画開発業務に従事




出典:

<相模原市「相模原市ICT総合戦略」>

<相模原市「相模原市議会 令和5年(2023年)6月定例会06月06日-02号」>

<相模原市「相模原市議会 令和5年(2023年)6月定例会05月29日-01号」>

<相模原市「相模原市議会令和5年(2023年)3月定例会議02月20日-02号」>

<相模原市「令和5年度相模原市一般会計予算」>

<横浜市「横浜DX戦略」>

<川崎市「川崎市デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進プラン及びプログラム」>

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