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デジタル田園都市国家構想交付金の活用事例―奈良県生駒市Pt.2




はじめに


 現在、日本全国の地方自治体によって取り組みが進められている「デジタル田園都市国家構想」。この構想はAI(人工知能)やIoT、ドローン(無人航空機)などの最新のデジタル技術を活用して、地域それぞれの魅力や特性を損なわないようにしながら利便性や住民サービスの向上を目指すものです。この構想を実現するため「デジタル田園都市国家構想交付金」制度も創設され、交付金を活用して地域活性化や地方創生を図る事業が日本各地で行われています。本ジャーナルでも力を入れて特集を続けており、静岡県静岡市のメタバース(仮想現実)を活用した移住促進の取り組み京都府京丹後市による公共施設予約システムの導入兵庫県西脇市の「書かない窓口」の構築事業などの事例を紹介してきました。今回は奈良県生駒市の「参加型合意形成プラットフォームの導⼊事業」について見ていきたいと思います。



生駒市の取り組み


 生駒市は奈良県の北西部に立地している自治体で、大阪府との県境を接しています。人口は令和5年(2023年)12月の時点で約115,000人を有しており、奈良市、橿原市に次ぐ県内3位の人口規模を誇っています。大阪府との県境に位置している点や近鉄奈良線・近鉄生駒線の列車が停車する生駒駅から快速急行で大阪市内まで15分程度でアクセスできる点から、大阪都市圏のベッドタウンとして発展してきた都市として知られています。


 また生駒市ではデジタル田園都市国家構想交付金を活用して、複数の事業に取り組んでいる自治体です。本ジャーナルでも、生駒市の公式LINE(ライン)アカウントにリッチメニューの創設やセグメント配信機能を追加する「LINEのさらなる利活⽤事業」を紹介しています。


 生駒市ではデジタル田園都市国家構想交付金を活用して、参加型合意形成プラットフォームの導⼊事業にも乗り出しました。生駒市では令和4年(2022年)に生駒市役所庁内のデジタル推進課に、スマートシティの構築に向けてスマートシティ推進室を設置。同年の10月からスマートシティ推進室が株式会社 Liquitousが提供しているオンライン参加型合意形成プラットフォーム「Liqlid」(リクリッド)を活用した実証実験を開始。別途開催していたスマートシティ構築に関する市民のワークショップの内容や議論のプロセスを共有しながら、幅広い市民からの意見を募る取り組みを行っており、今回の事業はこの実証実験で行ったものを実際に実装するような形のものとなっています。


 続いて、今回の事業の生駒市の狙いなどの内容について見ていきたいと思います。生駒市ではこのプラットフォームを、市の政策立案やイベント実施の検討段階において活用するとしており、市⺠同⼠がオープンに提案を共有して議論することを実現します。これにより、今まで開催していた懇話会などに参加できなかった市⺠がオンライン上で気軽に対話し、双⽅向のやり取りを可視化することで市⺠の市政への興味関⼼を喚起することを図ります。


 具体的なプラットフォームの機能に目を向けてみると、市民・行政側がアイデアや意見をプラットフォーム上に投稿することが可能で、オンライン上から市⺠がその意⾒を確認しながら「いいね」などのリアクションをすることによって、気軽に対話を⾏うことができます。さらに、これらのアイデアをもとに政策案などを作成し、プラットフォーム上での市民との対話を通じてその案の修正や投票による意向調査をすることが可能です。このような⼀連の政策形成段階のやり取りがプラットフォーム上でされることで、可視化することができます。


 生駒市では今回の参加型合意形成プラットフォームの導⼊事業に2,354千円分の採択をデジタル田園都市国家構想交付金から受けています。また令和5年(2023年)度予算にも「市民参加型オンライン合意形成プラットフォームの構築等」を含む、「地域DXの推進」事業に2,628千円を計上しています。令和5年(2023年)6月に「参加型合意形成プラットフォーム構築等業務に係る参加者の有無を確認する公募」が出されましたが、応募が無かったことが生駒市によって明らかにされています。参加者がいなかった場合は特定の者と随意契約に移行するとしており、今後生駒市が事業者と契約を結び、事業がどのように進展していくのかに注目が集まります。

 


まとめ


 高齢化などの問題に直面する日本社会において、市民から求められる行政サービスのニーズは多角化しています。これらのニーズを見逃さず、市民の求めるサービスを実現していくために、生駒市のようにプラットフォーム構築を進める自治体が今後も現れる可能性があるのではないでしょうか。


 グローカル社では、自治体の情報を横断して一括検索できるツール「G-Finder」を活用したトレンドを見逃さない調査サービス「G-Finderレポート」を提供しています。自治体に関する調査や、自治体への提案・入札参加をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。



執筆者 グローカル編集部

地方創生コンサルティング、SaaS/レポートサービスを通して地域活性化を支援する、グローカル株式会社の編集部。地域活性化を目指す事例や自治体・地域企業/中小企業のDX化に向けた取り組み、国の交付金・補助金の活用例を調査・研究し、ジャーナルを執筆しています。

グローカルは、国内全体・海外に展開する地方発の事業をつくり、自立的・持続的に成長する地域経済づくりに貢献します。






出典:

生駒市HP: 生駒らしいスマートシティ像を描くための対話をスタート

奈良県初!参加型合意形成プラットフォーム「Liqlid」の活用による対話の場づくりも実証実験

生駒市HP:令和5年度予算案の概要

生駒市HP:【募集終了】事業に係る参加者の有無を確認する公募結果

生駒市HP:参加者の有無を確認する公募手続に係る公示

内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局・内閣府地方創生推進事務局HP:デジタル田園都市国家構想交付金交付対象事業の概要 奈良県

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