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デジタル田園都市国家構想交付金の活用事例―静岡県静岡市

更新日:11月17日

はじめに

 岸田政権によって掲げられた「新しい資本主義」を実現するための政策として取り組まれている「デジタル田園都市国家構想」。この構想を実現するために「デジタル田園都市国家構想交付金」制度が創設され、日本全国の地方自治体でこの交付金を活用した取り組みが実施されています。本ジャーナルでも、山梨県甲府市のマイナポータルと連携した健康ポイント付与による健康増進策などの取り組みについて紹介してきました。今回は静岡県静岡市でのメタバースを活用した移住促進事業について見ていきたいと思います。


静岡市の取り組み

 静岡市は静岡県中部に位置する自治体で、言わずと知れた静岡県の県庁所在地となっています。平成15年(2003年)に旧静岡市と清水市が合併したことで現在の静岡市が誕生し、平成17年(2005年)には全国で14番目の政令指定都市に指定されています。令和5年(2023年)9月の時点で約677,000人の人口を有しており、浜松市に次ぐ第2位の規模を誇る都市です。静岡県の県都として、商業都市の機能も備えながら世界遺産にも指定されている「三保の松原」や国宝の「久能山東照宮」など、多彩な魅力を備えている地域となっています。

 この静岡市では令和5年(2023年)3月にスマートシティの実現に向けて取り組む重点事項を示した「静岡市スマートシティビジョン」を定めています。このスマートシティビジョンの中で、「メタバースを活用したコミュニケーション変革の推進」との項目を設けて「先進技術であるメタバースの多対多でリアルに近いコミュニケーションができる特徴を活かし、市民や移住希望者等との交流イベント、移住相談セミナーを実施することで、移住者や交流人口を増やす」と明記し、メタバースを使った取り組みの方針を打ち出しています。また令和4年(2022年)に策定した「静岡市デジタル化推進プラン 施策集」内にも「メタバースを活用した移住促進事業」との記載があり、長年に渡って意向を示し続けてきました。


 今回、デジタル田園都市国家構想交付金の採択を受けて静岡市は「メタバースを活⽤した移住促進事業」を開始しました。デジタル田園都市国家構想交付金には、10,000千円分の採択を受けており、静岡市の令和5年(2023年)度予算にも同額の10,000千円を計上しています。首都圏に在住している先進技術への感度が高いテレワーカーなどを主なターゲットと見据えており、メタバースを活用した静岡市への移住希望者向けセミナーなどを実施することで、移住・関係人口の増加を図る狙いです。従来はZoomのようなWeb会議ツールなどのオンラインツールを活用した1対多数のコミュニケーションや、対面でのコミュニケーションを主に行ってきましたが、メタバースではオンライン上の開催でありながら、対面での開催のような多数対多数での円滑なコミュニケーションを実施することができるので、より移住希望者に寄り添った移住相談を実施することが可能になり、移住希望者のニーズに応えることを狙っています。令和5年(2023年)中に計画・実証を行う予定で、令和6年(2024年)にはメタバースのサービス実装・提供を開始し、令和7年(2025年)以降も運用改善・機能追加を行い、継続的に発展を目指していくとしています。


まとめ

 静岡市は計画類でメタバースを活用した移住促進に取り組む意向をかねてから示し続けていました。自治体からの案件を獲得したい企業はこのような自治体から発せられるメッセージを見逃さずに拾うことで、案件獲得やプロポーザルに向けた準備の充実につなげることができるのではないでしょうか。


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出典:

<静岡市HP:静岡市スマートシティビジョン>

<静岡市HP:静岡市デジタル化推進プラン(2021→2030)施策集>

<静岡市HP:令和5年度重点事業の概要>

<内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局・内閣府地方創生推進事務局HP:デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)交付対象事業の概要 分野・都道府県別(令和4年度第2次補正予算)静岡県>

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