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茅ヶ崎市における自治体DXの先進事例 マイナ保険証の体験会開催など

更新日:11月17日

はじめに

 全国の自治体では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進する動きが活発に生まれています。地域住民の利便性の向上や自治体運営の生産性向上等、目的は多岐にわたっています。この度は、神奈川県茅ヶ崎市という太平洋沿岸に位置する人口24万人の都市における自治体DXの先進的な取組を紹介します。茅ヶ崎市におけるマイナンバーカード保険証(以下、マイナ保険証)の導入へ向けた全国初の取組や、デジタル田園都市国家構想交付金を活用したこれまでの取組をご紹介します。


全国自治体初のマイナ保険証の体験会

 これまで国民生活で慣れ親しんできた健康保険証カードに大きな変化が訪れようとしています。健康保険証をマイナンバーカードに統合して、一括して利用できるように創設されたのがマイナ保険証です。マイナ保険証は、行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現のために作られた制度です。令和5年(2023年)9月からすべての医療機関・薬局においてマイナ保険の使用が可能になります。こうした中、神奈川県茅ヶ崎市で全国初自治体初の「マイナ保険証体験会」が令和5年(2023年)8月に開催されました。


 グローカル社も当日、現地視察のため茅ヶ崎市役所を訪問しました。マイナ保険証の体験ブース、デジタル推進委員による案内が行われていました。当日、河野太郎デジタル大臣が訪れ、全国初の取り組みについて多くのマスメディアからの質問にコメントしました。令和5年(2023年)3月議会では、佐藤光茅ヶ崎市長がデジタル推進委員の設置拡大と市民向け説明会の開催について答弁しました。これによりマイナ保険証体験会の議論が進展していたと考えられます。


マイナ保険証体験会の様子

マイナ保険証体験会の様子

会見する河野太郎デジタル大臣

会見する河野太郎デジタル大臣



茅ヶ崎市でのDX化への取組

 茅ヶ崎市では、デジタル田園都市国家構想交付金を活用した事業が行われ、この度のマイナ保険証体験会の取組の他、令和4年(2022年)には美術館の収蔵品のデジタルアーカイブ化(542万2千円)や障害福祉サービス事業所の空き状況等が検索できる「ちがさき障がい者支援アプリ(令和5年(2023年)1月利用開始)」の開発(1197万4千円)、都市づくり情報のプラットフォームとなる地理情報システムと来庁者向けの窓口システムの構築(9000万円)などの費用が計上されていました。令和5年(2023年)には、市内の博物館、図書館、各公民館、青少年会館などの社会教育施設等へ公衆無線LANが交付金を活用し設置されました。この公衆無線LANは、市民が容易にインターネット接続できるように無料開放されているなど、市民の利便性向上に貢献されています。


まとめ

 茅ヶ崎市役所訪問に際して、デジタル推進課職員にマイナ保険証体験会やデジタル田園都市国家構想交付金を活用した取組予定などを伺ったところ、令和4年(2022年)12月定例会にて佐藤光市長が答弁されている通り、引き続きマイナンバーカードを活用した事業等を検討するとともに、カードを保有することによるメリットについても、適切に周知・啓発を行う方針が示されました。また、 デジタル推進の取組を進める上で注目している自治体はデジタル推進施策を積極的に実施している宮崎県都城市、新潟県三条市、近隣であれば湘南広域都市行政協議会も行っている藤沢市、寒川町などがあるとのことでした。藤沢市では、「藤沢市DX推進計画」及び「藤沢市スマートシティ基本方針」が制定され、積極的に自治体DX化が進められています。


 グローカル社では、自治体の情報を横断して一括検索できるツール「G-Finder」を活用した調査サービス「G-Finderレポート」を提供しています。自治体に関する調査や、自治体への提案・入札参加をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。


出典:

<茅ヶ崎市議会 議事録 令和5年(2023年)3月第1回定例会 3月3日02号>

<茅ヶ崎市議会 議事録 令和4年(2022年)6月第2回定例会 6月6日01号>

<茅ヶ崎市議会 議事録 令和4年(2022年)12月 第4回定例会 12月19日05号>

<茅ヶ崎市 茅ヶ崎市デジタル化推進方針(令和5年(2023年)3月)>

<茅ヶ崎市HP:令和5年(2023年)8月4日発表 デジタル庁との共同事業マイナ保険証体験会を自治体で初開催>

<茅ヶ崎市HP:茅ヶ崎市社会教育施設等公衆無線LANについて>

<マイナポータルHP>

<デジタル庁HP:マイナンバー(個人番号)制度・マイナンバーカード>

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