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メタバースで観光誘客の促進を図る 神奈川県横須賀市の挑戦




はじめに

 近年、デジタル技術の進化により、私たちの生活は大きく変わりつつあります。その中でも、メタバースと呼ばれる仮想のデジタル空間が注目を集めています。これは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)技術を活用した現実世界とは異なるデジタル空間で、人々は仮想のアバターを通じて交流し、活動することができるものです。このメタバースの活用が、地方自治体においても新たな可能性を開くことが期待されています。本ジャーナルでも、東京都町田市の事例を紹介してきました。今回は新たにメタバースの取り組みを開始した神奈川県横須賀市の事例を見ていきたいと思います。


横須賀市の取り組み

 横須賀市は神奈川県の南東に突き出た三浦半島に立地する自治体で、西は相模湾、東は東京湾に面した都市です。幕末の黒船来航の地として知られ、現在もアメリカ海軍横須賀基地や海上自衛隊の横須賀基地が立地しており、軍港の町として名高い都市でもあります。その一方で、猿島などの豊かな自然を誇る観光名所が存在し、多彩な魅力を有した都市です。また以前のジャーナルでもご紹介した、チャットGPTの業務への活用<リンク>や窓口業務支援システムを使用した行政窓口の効率化<リンク>など、新たなデジタル技術を積極的に取り入れる風土を持っています。


 この横須賀市では令和5年(2023年)から、内閣府・内閣官房の「デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)」のTYPE1の採択を受けて、「横須賀市メタバースプロジェクト」を開始しました。このプロジェクトは、「横須賀ブランドを視覚化し、メタバース空間上の拠点での発信・集客と、⼆次利⽤による拡散を⽬的としたデータ共有システムをつくる。」として、WEBサイト開設、VRワールド開設・運⽤(4か所)、よこすか3Dライブラリ(3Dアイテム配布)、ポスター・パンフレット制作、広報(SNS広告・VTuber配信依頼)の5つを軸にした取り組みとなっています。


 具体的な取り組み内容について見ていきます。横須賀市では令和5年(2023年)の秋に仮想空間「メタバース・ヨコスカ」の開設を目指すとしています。横須賀市をテーマとした仮想空間で、世界中のユーザーと交流できるソーシャルVRプラットホーム「VRChat」を活用し、VR上で活動する多くのクリエイターと協力して、情報発信に取り組む予定です。また、このプロジェクトはプロポーザルによるコンペが開催され、VRChat社と正式パートナーシップ契約を結び、様々な企業のメタバースショールームの構築などの実績がある「株式会社往来」が選定されています。


まとめ

 メタバースは、地方自治体にとって未来への可能性を切り開くツールとなるでしょう。コミュニケーションの促進や地域振興、教育の革新など、多岐にわたる活用方法が考えられます。横須賀市のように、新たにメタバースに取り組む自治体が出てくる可能性は高く、今後も注目が集まる分野です。今後、横須賀市で新たな動きが出てきた際には改めて本ジャーナルでも取り上げていきたいと思います。


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執筆者 グローカル編集部

地方創生コンサルティング、SaaS/レポートサービスを通して地域活性化を支援する、グローカル株式会社の編集部。地域活性化を目指す事例や自治体・地域企業/中小企業のDX化に向けた取り組み、国の交付金・補助金の活用例を調査・研究し、ジャーナルを執筆しています。

グローカルは、国内全体・海外に展開する地方発の事業をつくり、自立的・持続的に成長する地域経済づくりに貢献します。





出典:

<横須賀市観光情報HP:メタバースヨコスカ 2023年秋予定>

<内閣官房・内閣府総合サイト:神奈川県>

<株式会社往来HP:TOP>

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