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デジタル田園都市国家構想交付金の活用事例―大阪府熊取町



はじめに


 岸田文雄首相が目指す「新しい資本主義」の根幹をなす政策とされている「デジタル田園都市国家構想」。この構想はAI(人工知能)やIoT、ドローン(無人航空機)などのデジタル技術を活用して、地域それぞれの魅力を損なわないようにしながら利便性や住民サービスの向上を目指すものです。「デジタル田園都市国家構想交付金」制度も創設され、交付金を活用して全国の地方自治体で様々な取り組みが進められています。本ジャーナルでも、福井県の防災分野でドローンの活用を目指す取り組み福井県鯖江市の小中学校などの施設を市民向けに開放する際の施錠管理にスマートロックを導入する事業愛知県稲沢市の市役所と出先機関を結ぶ遠隔相談システムの導入などの事例を取り上げてきました。今回は大阪府熊取町のスマートフォン向け子育て支援アプリを使った子育て支援のデジタル化について見ていきたいと思います。



熊取町の取り組み


 熊取町は大阪府南西部に立地し、泉南郡に属している自治体です。大阪府内の町村レベルの自治体としては最も人口の多い自治体で、令和5年(2023年)1月の時点で約43,000人の人口を抱えています。奥山雨山自然公園に代表される自然豊かな町として知られている一方、京都大学の複合原子力科学研究所が立地することでも有名な自治体です。


 この熊取町ではデジタル田園都市国家構想交付金を活用して、「⼦育て⽀援アプリを活⽤した⼦育て⽀援デジタル化事業」に着手しました。熊取町は令和2年(2020年)に推進する子育て支援施策の方向性や目標を総合的に定める観点を示す「第2期熊取町子ども・子育て支援計画」を策定し、子育て施策を推進してきました。この計画の中の「子育てに関する情報の提供」という項目で「健診、予防接種だけでなく、親子のコミュニケーションの取り方なども含めた、子どもの育ちに必要なこと、子育てに関する様々な情報を、広報、ホームページの他あらゆる媒体(子育てアプリなど)を活用して、広く、分かりやすく提供する。」と記載しています。


 また、熊取町が定めている「熊取町スマートシティ構想Ver.1.0」の中でも「子育て」の項目の中で、「保護者の就労環境の変化に合わせて、子育てに関する行政手続を可能な限り簡素化・電子化することで、家庭における子育ての充実を促進する。子育て支援アプリの導入、機能拡張」と記載し、子育て支援アプリを活用する方針について様々な資料で示し続けており、令和5年(2023年)以前から「くまっ子ナビ」を実装していました。


 今回、熊取町はデジタル田園都市国家構想交付金を活用してくまっ子ナビの機能拡張に取り組むとしています。具体的な取り組み内容を見ていきましょう。乳幼児集団健診時の問診や健康記録のデジタル化ができる「乳幼児集団健診支援システム」を導入します。問診や健康記録のデジタル化だけでなく、保護者と⾏政の健診結果の共有化や健康管理システムと連携することによる省⼒化や家族内で健診結果などのアプリ内の情報を共有化、 相談体制・相談ツールの充実を目指します。


 熊取町は今回の事業にデジタル田園都市国家構想交付金から8,196千円分の採択を受けています。熊取町の令和5年(2023年)度予算にも子育て支援アプリ拡張事業として、8,195千円を計上しています。乳幼児集団健診支援システムは10月から運用を開始するとしており、今後どのような成果が上がるのかに注目が集まります。



まとめ


 少子化が日本社会全体の課題となって久しく、特に地方部では若年層の都市部への流出が課題となっており、地域運営の持続に直結する子育て支援は喫緊の課題となっています。熊取町のようにデジタル技術を活用して子育て支援の充実を図る事例は今後も広がっていくのではないでしょうか。


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執筆者 グローカル編集部

地方創生コンサルティング、SaaS/レポートサービスを通して地域活性化を支援する、グローカル株式会社の編集部。地域活性化を目指す事例や自治体・地域企業/中小企業のDX化に向けた取り組み、国の交付金・補助金の活用例を調査・研究し、ジャーナルを執筆しています。

グローカルは、国内全体・海外に展開する地方発の事業をつくり、自立的・持続的に成長する地域経済づくりに貢献します。






出典:

熊取町HP:第2期熊取町子ども・子育て支援計画

熊取町HP:令和5年度予算の概要及び主な施策

熊取町HP:熊取町スマートシティ構想 Ver.1.0

内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局・内閣府地方創生推進事務局HP:デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)交付対象事業の概要 分野・都道府県別(令和4年度第2次補正予算)大阪府


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