top of page

地方創生と群馬のブランド力向上のためのeスポーツの推進ー群馬県の取組事例


はじめに


 近年、eスポーツは地域産業の活性化や高齢者福祉、地域コミュニティの活性化に繋がるコンテンツとして地方自治体から注目が集まっています。ゲームの特性上、年齢や性別、国籍、障がいの有無に関わらず、誰もが参加できるツールとして導入が進んでいます。これまで神奈川県横須賀市東京都西東京市荒川区の取組みを取り上げてきましたが、今回は群馬県が取り組む地方創生や群馬のブランド力向上のためにeスポーツを活用している事例を取り上げたいと思います。

 


地方創生と群馬のブランド力向上のためのeスポーツの推進


 群馬県は、関東の北西部、東京から100㎞県内に位置する自治体です。南部には平坦地が広がり、北部や西部は山地が多くを占める内陸県です。面積は6,362㎢、大きさは全国で21番目の都道府県です。関東地方では栃木県に次ぎ2番目に大きな土地です。人口は、約190万人となっています。

 

 群馬県でのeスポーツの取組は、産業経済部eスポーツ・クリエイティブ推進課が担当原課となっており、eスポーツの名を冠した専門部署が担当しています。対戦型ビデオゲーム競技である「eスポーツ」の特徴を活用した「地方創生(ひとづくり、まちづくり、しごとづくり)」と「群馬のブランド力向上」を目的に取り組んでいます。県では、eスポーツを活用して産業や経済の活性化を図るとともに、若者や障がい者をはじめとした県民の活動の場の創出、コンピューターに対する知識や理解を通じたIT人材の輩出に繋げることを掲げています。eスポーツ推進のために3つの方向性を掲げており、①eスポーツ推進の土壌づくり、②大会・イベントの開催・誘致、③ゲーム依存症対策を掲げて活動しています。

 

 具体的なeスポーツの取組を見ていきます。まず、社会人eスポーツとして「GUNMA LEAGUE2023(群馬県企業等大綱社会人eスポーツリーグ)」が開催されています。県内の企業が社員間コミュニケーションの活性化や、趣味を通した社外人材との交流促進を図ることを目的に、企業や団体単位で参加できる取組として令和3年(2021年)から開催されています。他には、シニア向けeスポーツ体験会として、健康増進のために公益財団法人群馬県長寿社会づくり財団とも連携して講座等を実施しています。障がい者向けのeスポーツ体験会も、一般社団法人群馬県パラスポーツ協会と連携して開催されています。群馬県議会でも令和5年(2023年)第2回定例会では、担当原課の相川章代氏(戦略セールス局長)からは「eスポーツには、年齢、性別、障害の有無等の影響が少なく、誰でも参加しやすいという特徴がございます。・・・群馬県では長寿社会づくり財団と連携をいたしまして、県内各地において高齢者の方にeスポーツに触れていただく、そういった体験会のほうをやっております。」と述べてられており、eスポーツの多様な可能性に関心を持っていることが分かります。

 

 eスポーツは多様な可能性に溢れているコンテンツでありながら、ゲームは、過度にのめりこむことにより、日常生活や社会生活に影響を及ぼす可能性があります。その課題に群馬県では、適切にゲームと付き合い安全安心に楽しめるよう、ゲーム依存症対策のために必要な情報を発信しています。群馬大学大学院医学系研究科神経精神医学 福田教授によるセミナーを開催するなど、コンテンツが有している大きな課題にも向き合い施策を実施しています。

 

 群馬県として、eスポーツのために「eスポーツ推進」という項目でeスポーツ先進県としての認知向上や地方創生を進めるとともに、eスポーツを活用した人材育成を推進していくために、83,286千円の予算を計上しています。大会の開催費用、イベント開催費用等に充てられています。

 


まとめ


 群馬県では、青少年から高齢者、障がいの有無に関わらず、誰もが取り組むことができるeスポーツの多様な可能性に着目して、大会の開催や人材の育成等を積極的に推進されています。ゲーム依存症などの課題にも向き合い、安心安全にeスポーツを推進している群馬県の取組には、これからもグローカル社では着目していきます。社会人eスポーツに参加する企業の参加に至った経緯やニーズにも注目しながら、産業の活性化に貢献されている点なども引き続きリサーチしていきます。


 このような自治体のトレンドを見逃さないよう、グローカル社では、自治体の情報を横断して一括検索できるツール「G-Finder」を活用した調査サービス「G-Finderレポート」を提供しています。自治体に関する調査や、自治体への提案・入札参加をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。



執筆者 平峯 佑志 Yushi Hiramine

スポーツ&ヘルスケア関連の事業会社を創業メンバーとして起業、新規事業立ち上げ/経営企画/WEBマーケティング/法人営業・自治体営業/知的財産管理等の業務に従事。スポーツ専門研究機関のシンクタンクでのPM業務を経てグローカルにジョイン。

グローカルに参画後は、健康管理システムのソリューション営業の型化/営業支援体制の構築支援、自治体向けの情報プラットフォームの営業支援/PM業務、公募調査ツール「G-Finder」の企画開発業務に従事




出典:

群馬県HP「eスポーツの推進」

群馬県HP「eスポーツとは」

群馬県HP「令和5年度当初予算」

群馬県HP:群馬県議会議事録令和5年第2回定例会-05月31日-05号


最新記事

すべて表示

eスポーツでいい里づくり事業ー熊本県美里町の取組事例

はじめに 近年、eスポーツは地方自治体に、子どもから高齢者まで幅広い世代に向けた健康増進や就労支援等の領域で導入が進んでいます。eスポーツとは、「エレクトリック・スポーツ」の略で、主にコンピューターゲームやビデオゲームを使った大戦をスポーツ競技としてとらえる際の名称となっています。ゲームの特性上、年齢や性別、国籍、障害の有無に関わらず、誰もが参加できるのが特徴です。これまで本ジャーナルでも、地方自

神奈川県の子育て情報がLINEに一元化ー神奈川県の取組事例

はじめに 全国の地方自治体では、少子高齢化や人口減少の社会課題解決のための施策として、子育て支援に注力しています。子育て世代は、若い頃からスマホや携帯電話、PCに慣れ親しんでいる世代となっているため、高齢者世代に比べ自治体DXの施策は効果を発揮させていきやすいと言われています。今回紹介する神奈川県の事例は、県内在住者向けの子育て支援情報を「かながわ子育てパーソナルサポート」というLINEサービスで

デジタル田園都市国家構想交付金の活用事例―和歌山県御坊市

はじめに AI(人口知能)やIoT、ドローン(無人航空機)などの最新のデジタル技術を活用して、地域ごとの魅力や特性を損なわないようにしながら利便性や住民サービスの向上を目指す「デジタル田園都市国家構想」。岸田文雄首相が開始した政策で、現在地方創生や地域活性化に向けて取り組む自治体の政策の柱となっています。「デジタル田園都市国家構想交付金」制度も創設され、全国の地方自治体がこの交付金を活用して、様々

Comments


bottom of page